6/18(土)に横浜で開催されたScrum Boot Campに参加してきました。Scrumの説明と演習でScrumへのとっかかりを体験できる勉強会です。休憩時間や懇親会でいろいろ感想を話したり、疑問点に対する意見を聞いたりできて有意義でした。以下、思ったことや感想や学んだことを雑多に書きます(あたかも最初から知っていたかのような口ぶりで書いている部分もあります)。
演習について
演習はテーブルごとに分かれてチームで行うのですが、自分のいたチームはほぼ違和感無く演習することができました。他のチームがどうだったのかに興味があったので、懇親会で別のチームの方々に感想を聞いて回ったところ、まったくうまくいかなかったチームは無いようでした。いろいろなバックグラウンドを持つ人々が初対面で演習可能というのは「Scrumの取り組みの一つ一つは誰でも可能なこと」と感じました。
勉強会に参加するということは、Scrumに興味がある、勉強しようとする意思がある、人の話を聞く気がある人が集まっている状態なので、そもそも成立する可能性が高いのは事実です。おそらく、参加者は自分の所属組織に戻って、勉強会で得たものを取り入れようとした際に相当のギャップを感じてしょんぼりするかもしれません。
感じたこと
自分を変えるのと他人を変えるのを比べると自分を変えることは自分自身の努力で可能ですが、他人を変えるのは自分の手の届かない部分が多いので、チームに導入するのは相当に難しいはずです。しかし、Scrum(じゃなくて他の開発手法でも)かどうかは、true/falseの二値で表されるのではなく、度数で表現するものなので、導入して成果が上がっている状態を想像して、その状態と現在の間を埋めていけば、ちょっとScrumからだいぶScrumに、そしてほとんどScrum、完全にScrumという風になるはず。
「うちの組織のメンバーはScrumを実施できるレベルにない」という質問がありました。確かに設計や実装、試験などのスキルの他にも「自動化されたテスト」「継続的インテグレーション」「ソフトウェア構成管理」「バグトラッキングシステム」「ペアプログラミング」「リファクタリング」「様々な活動の集計の自動化」などの様々な開発プラクティスを身につけた人々だけでチームが構成されていないとScrumできないと考えがちですが、Scrumを導入しはじめると必然的にスキルの向上や習得が必要になるはずです。これは「できるからやる」のではなく「できるようになるためにやる」そして「やるからできるようになる」と考えると良いのではないかと感じました。
Scrumにはいろんなツールがあります。プランニングポーカーとか朝会とかふりかえりとかバーンダウンチャートとか。全てのツールは可能な限り素早く最大限の価値を提供するための道具なので「何をどうする?そしてどうなった?」を明確にして「それは目的の達成に向かっているか?」を意識して取り組みたいと思います。
話は変わりますが、エリヤフ・ゴールドラット博士が亡くなりました。この人は「制約条件の理論」を生み出した人です。「制約条件の理論」というのは「システム(目的(ゴール)」を継続的に最大化するためのメソッド(といっていいのかな?管理哲学?)です。この制約条件の理論を達成するために「TOC思考プロセス」といういろいろなツールがあります。Scrumの導入のために役に立ちそうなツールが満載なので、まずは『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』という小説仕立ての書籍でどのようなものなのか一読することをおすすめします。
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